がん病院に設置される緩和病棟

末期がんになると、どうやって痛みと共存していくかが問題となってくる。がんの傷みに耐えるため、モルヒネなどをどんどん投与していると、痛み止めとして何も利かなくなってしまう。傷みを緩和しながら、薬をコントロールするのが、この緩和病棟である。今、がんの病院には多く設置されており、痛みと戦っている患者が多く存在する。
自分の細胞を取り出し、樹状細胞に成長させて、リンパ球にガン細胞を攻撃する様に命令出来る様にする免疫療法を樹状細胞免疫療法と言います。症状が現れ難く、発見時に余命宣告される場合の多いすい臓がんに、特に効果が表れています。新しい治療法の為、保険適用外で高額な治療費が掛かります。誰もが最高の医療が受けられる世の中になりますように。
 「ハッケヨーイ、ノコッタ!」

 約5年前の秋、米国人の友人から誘われ、ニューヨーク・マンハッタンのマジソン・スクエア・ガーデンで開かれた「世界スモウ大会」に足を運んだときのことである。

 ふだんはNBA(米プロバスケットボール協会)や著名ロックスターのファンで埋め尽くされる約2万人収容の一大スポーツアリーナには、にわかづくりの「ドヒョウ」が設置され、米国からノルウェー、オランダまで、世界中から集まったアマチュア男性力士が、赤や黄色、パープルなど、色とりどりのまわしに身を包み、しこを踏んでは体をぶつけ合った。その真摯な姿が好感度たっぷりで、勝負がつくたびに友人らと歓声を上げたものだ。観客席は、空席のかたまりがあちこちに目立つほど閑散としていたが、日本の相撲ファンよりひと世代もふた世代も若い人たちの声援や熱気が、会場にあふれていた。「超スリム」な力士あり、まわしの下にベージュのレオタードを付けた「控えめな」力士ありと、玉石混交の国際版アマチュア相撲大会は、スポーツイベントして、純粋に楽しめるものだった。

 一方、大本山の日本大相撲は、相次ぐ力士の暴力事件や野球賭博、八百長疑惑で、史上最大の危機に直面している。先日、野球賭博を捜査していた警察当局が、八百長を画策する力士間での詳細なメールを発見。14人が関与を疑われ、うち3人(力士2人、親方1人)が事実を認めたと、2月9日付本紙は報じている。3日、菅首相も、「八百長があったとすれば、国民に対する大変重大な背信行為だ」と発言。6日には、八百長を否定し続けてきた日本相撲協会も、「八百長を撲滅するまで相撲を見せられない」と、大阪での春場所延期を決めた。本場所の中止は、第二次大戦後の混乱で施設の修理が間に合わなかった1946年以来のことだ。相撲協会は、「全力を挙げて、できるかぎり早急に八百長の事実関係を突き止める」(放駒理事長)という。

 本紙をはじめ、欧米や韓国、中国、インドなどの外国メディアも、今回の八百長スキャンダルを一斉に報じた。CNN系ウェブサイトには、8日、「スモウは、今でも日本の国技にふさわしいといえるのか」というタイトルが躍った。英紙『テレグラフ』の電子版は、6日に千葉県成田市で開かれた「全国穴掘り大会」を報ずる8日付の記事を掲載。「相撲が八百長疑惑で危機にあるなか、日本で新しい国技が発現か」と皮肉っている。

 今回、日本相撲協会もついに事実を認めるにいたったが、八百長疑惑は、国際的にも公然の秘密として知られている。昨年夏、大相撲の八百長や試験のカンニングなど、社会事象を経済学の観点から論じたベストセラー『Freakonomics』(邦訳『ヤバイ経済学』東洋経済新報社刊)の映画版を試写会で見たが、八百長の仕組みが、元力士や日本人相撲ジャーナリストの告白などを交え、丹念に描かれており、同席した米国人報道関係者たちも、神妙な面持ちでスクリーンに見入っていた。

 気鋭の経済学者であるスティーブン・レビット・シカゴ大学教授とニューヨーク在住ジャーナリストのスティーブン・ダブナー氏が共同で著した『ヤバイ経済学』は、約6年前、発売と同時に、そのユニークな視点で大人気を博した話題の書だ。同書によると、八百長で負けるのが「第一級の罪」であり、相撲が「神国第一級のスポーツ」であるならば、八百長で負けるなどということはありえないはずだが、データが、その逆を物語っているという。力士の年収や待遇に決定的影響を与える番付は、年6回開催される本場所の星で決まるが、8勝以上白星を上げれば勝ち越し、番付が上がる一方、負け越せば下がる。そのため、経済学的にみれば、8つめの勝ち星は、通常の勝ち星の約4倍の価値がある。

 だから、すでに勝ち越している力士が、ボーダーラインにある力士に対し、お金などのインセンティブと引き換えに白星を渡すという動機がはたらいても不思議ではない、というわけだ。事実、7勝7敗の力士が8勝6敗の力士を破る期待勝率は48.7%だが、実際の勝率は79.6%。7勝7敗の力士が9勝5敗の力士を破る期待勝率は47.2%だが、実際は73.4%と、はね上がる。

 番付トップ66人のエリート力士だけが優遇され、番付が下位の力士は、年収200万円にも満たない低報酬でエリート力士の「世話」をしなければならないという古い体質が、八百長をしてでも番付を上げたいという動機につながるとの指摘もあるが、「伝統」を死守する相撲協会の体質は、土俵の「女人禁制」にも現れている。日本の国技が、21世紀の今も、土俵を「神聖な場所」とし、女性を締め出すことで、「女性後進国ニッポン」のイメージを世界に振りまく存在と化しているのは皮肉な話だ。

 女人禁制をめぐる日本相撲協会と女性指導者とのあつれきは、古くは、1989年、女性初の官房長官に就任した森山真弓衆院議員(当時)が、内閣総理大臣杯を優勝力士に手渡そうとしたところ、協会に拒否されたことにさかのぼる。2000年春には、女性初の知事となった太田房江・大阪府知事(当時)が、大阪場所で優勝力士に知事賞を手渡したいと申し入れたところ、やはり相撲協会から拒まれ、断念している。

 森山元官房長官と協会とのまさつを伝える90年初めの米紙報道によれば、日本相撲協会理事長は、「われわれの伝統と文化を守らねばならない」と答えたという。太田前知事の一件が問題になった2000年の時点で、日本の主要紙が行った世論調査では、すでに太田氏を支持する人が5割近くに達する一方、伝統派は約4割にとどまっていた。ましてや八百長疑惑で土俵が「神聖」でないことが明らかになった今、日本相撲協会は、はたして何を理由に女人禁制を固守するのだろうか。

 ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』の著者であり、日本で大人気のマイケル・サンデル・ハーバード大学哲学教授は、コミュニティー(共同体)が、「伝統」の名の下で、女性の権利を否定したり、権威主義を振りかざしたりする場合、その伝統は受け入れるべきではないと、再三明言している。

 森山元官房長官は、当時、日系メディアに対し、「世の中は、大きく変わっている。協会は、もう年貢の納め時だと思う」と語ったという。あれから20年余り――。機は熟したようにみえる。

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